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略歴
●1976年7月21日生
●広島県出身
●総合建設コンサルタント勤務。主に道路の計画及び設計に関わる。
趣味はドライブ&温泉巡り。自分が仕事で関わった地域にはついつい、遠回りしてしまいます。
現在、道路事業者が実施する環境保全への取り組みを支援する業務を担当している。事業者や
建設業者が工事中の現場で行う環境保全への取り組みを、建設コンサルタントの立場で支援す
るのが主な役割である。環境影響評価書に準じて実施される道路事業における環境保全への取
り組みは、公害系の要素と自然環境系の要素に分けられるが、担当した業務では、自然環境系
の要素に着目した。
この業務の最大の課題は、工事に関わる多くの関係者の意識を、如何に自然環境の保全にシフ
トできるかにあった。特に、自然環境に関わりの薄い関係者には、「重要種への配慮や保全対策
は、専門的で、わかり辛い。」と言われる。関係者の理解が得られないままでは、配慮不足を指
摘され、工事の中断に至るケースも想定される。円滑な事業の推進のためには、不慮の事態は避
けなければならない。
こうした実態を踏まえ、環境保全への取り組みの一つとして、関係者を対象とした環境研修を開
催することとした。研修は、類似の事例で多く見られる、「○○(重要種等)に注意して下さい。」
といった一方的な研修ではなく、土木技術者としての環境保全の必要性(技術者の倫理)に触れ、
環境保全の意識を高める機会とした。配慮不足により生じた問題の実例を用いた学習や、土木技
術者に求められる倫理の理解を通じて、環境保全の意識の向上に資する内容とした。環境研修を
始めてまだ数年であるが、反響は予想以上であった。長期的な視点から、効果が期待されている。
一方で、業務経験の浅い私は、研修のプログラム立案に関して、貢献できなかった。技術的な課
題を技術的に解決することばかり考え、関係者の意識の啓発や、一見、遠回りと思われる倫理の
理解など、思いも付かなかった。協議の過程で提案された先輩技術者に対し、全く、頭が上がら
ない思いをした。
初回の環境研修に、一受講者として、参加させてもらったことは書くまでもない。技術的な課題
を技術的に解決しようとすることが必ずしも適当ではなく、多様な解決のアプローチがあること
を知った大変、貴重な経験であった。今後に活かしていきたい。